駄目だと思った時にはすでに手遅れである2005年09月19日 15:41

「もしかしてダメかな、これ」「うまくいっていないんじゃないかな」と思ったときには間違いなくダメでありうまくいっていない。 人生の好不調、自覚症状がでたら末期。癌と一緒。

信長の棺(ネタバレ)2005年09月24日 23:17

小泉首相も読んでる!みたいな帯をつけて売られている小説です。 「信長公記」を書いた太田牛一が主人公。 読み始めて、この小説の最初のほうで提示される謎は三つ。 1:信長の遺体の場所 2:安土城の建設理念 3:五つの箱の中身(牛一が信長に渡される箱) この三つの謎と「信長記」を書く太田牛一の苦悩がメインストーリーとなって話が構成されています。

この三つの謎ですが、確かに三つとも答えが書いてあるのですが、なんていうか、本当の意味で裏切られたというか、「普通だな、おい」と思ってしまいまして。 信長の遺体の場所も、まあ、月並みな結論に落ち着いたというか、これが最大の謎のはずなのに、「ふーん」ぐらいの感想しか生まれませんでした。

安土城築城の秘密も、私自身、安土城は信長自身の霊廟で、信長は自分の死後安土城の内部に埋葬されようと思っていたんだと確信しているので、他の結論を持ってこられても肯首しかねるといったところです。ただ、これは私自身の問題なので小説の良し悪しには関係ありませんね。

箱の中身は絶対、箱いっぱいの金平糖だと思っていた。昔、信長にもらった少量の金平糖を毎年三粒食べてそれが終わった頃死ぬだろうと思っている牛一の描写とか、そういう流れだったし。まあ、それだと牛一が信長の死後も箱の中身を見ないという不自然が発生するし、しょうがないか。

でも桶狭間の戦いの検証部分は「ほほう、なるほど、面白いねぇ」と思った。

全体的に面白いですが二度三度は読まないと思います。

総合評価:一回読んでブックオフ行き